辰巳工業 宝人さがし その4

宝人(たからびと)さがしとは

代表取締役会長 辰巳施智子がお送りする辰巳メンバーのとっておきのお話です。感動的な話からほっこりする話まで様々なものをご用意しています。
不定期更新となっていますので、たまーに覗いてみてはいかがですか?

第4回目の宝人は平成2年に入社し、途中国内留学で2年半お留守にしたものの通算勤続26年の平成活躍男、技術部長の佐藤洋誌です。入社当初から多岐にわたるアイデアが頭一杯に詰まった堅物人間。

 皆様は2000年頃に豊能町で発覚したダイオキシン汚染問題を覚えておりますでしょうか?それ以降ごみ焼却場のごみは焼くのではなく溶かしてスラグ(カス)にせねばならなくなり、日本全国で溶融炉が建設されました。溶融炉とはhttp://tatsumi-cast.co.jp/wp/2019/06/323/でも佐藤が語っているように、まさに夢のような焼却炉なんです。そのごみ焼却用ガス化溶融炉を設置する大手プラントメーカーのご依頼で炉の心臓部のノズルの設計と製作を担当することになり、2003年に製造を開始しました。お引き受けしたものの、未知の世界の開発となると、さすがの佐藤も、胃がきりきり舞いで睡眠もとれない状態になりました。まだ過労死も問題視されていない頃でしたので、会社としては本人の夢を実現してもらおうと食事、会社内仮眠所の用意、と一所懸命支援しました。今から考えると何事もなかったことにほっと胸をなでおろし感謝しております。佐藤のひたむきさが天に通じたか、開発は無事成功となりました。

それからは

というサイクル体制が完全に整い、現在に至ります。

 その後、銅・鉄・鋼・ハステロイの溶接技術が認められ「辰巳さんならチタンのパイプ溶接もできるよね。」と練習品としてチタンパイプを渡され、またてんてこ舞いの佐藤。チタンの溶接には真空溶接機というものが必要ですが、会社には買ってもらえないと頭をかかえ、工具専門スーパーへ一目散。なんと、自分で考案した装置を作ろうと、わずか7.000円で材料調達。1週間後に装置は完成しました。そうして「出来ました!チタン溶接が……。」とテスト品をお客様へ納品したところ、《完璧!》とお褒め頂き、以後特命としてチタン溶接はわが社へご依頼いただけることになりました。

 このような実績の積み重ねが認められ、この度「大阪府新技術開発功労者表彰」を受けることとなりました。私も自分の事のように嬉しく思っております。今回のエピソードだけではないアイデアマン。まさに辰巳工業の宝人です。

 平成の技術者、令和でもきっと活躍してくれるでしょう。

 

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